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2007年ブック・カフェ ニライカナイ開店です [ちょっとだけ、ひと休み]

いつも当カフェにご来店いただいている皆様、新年明けましておめでとうございます。
今年もどうか気軽に遊びに来てくださいね。

暖かい飲み物を傍らに、様々な本を手にしていただけるよう、居心地の良い場所に
していきたいと思います。

さて・・・。

ふるさとに戻る途中、ふと購入してしまった本が2冊。
「IQパズル 日本地図に挑戦!」と同「世界地図に挑戦!」(青春出版社、2006年)です。

昨年末頃から地図に妙に興味が湧き、「旅に出たくなる地図 世界」(帝国書院、2006年)
など、やや子供向け?とも思いながらもぼーっと眺めるにはちょうどよく、いつも傍らにおいて
位置がわからない地名があると見ることもありました。

帰省途中に買ってしまった本は目立つ誤字があったりとあまり丁寧な作りではないし、
そもそもあまりクイズものに興味があったわけではないのですが、案外日本の地理を
しらない自分に「おいおい」と思いました。
いずれもそれほど難しくなく、これでIQがどうのとは言えないと思うのですが、
住んでいたり、興味のない地域について、こんな風に無関心でいいのかな・・・とも
思いました。

たとえば、小さな湖があるとある県、これはどこでしょう、といわれて180度回転していたから
わかりにくかったとして、それでもその湖の近くには住んでいる人や、その湖に大切な
思い出がある人ならすぐわかるのに、自分にはわからない。

世界地図の面積の問題などは、理屈はわかっていても間違える。
緯度の問題などはよくあるのでわかるが、自分が行ったことがあったり、
興味のあるところ以外になるととたんにあやしくなる。

そういう意味で、クイズの中身とは違うところでいろいろ考えさせられた一面がありました。

さて・・・今年も多くの新しい本との出会い、再会が待っているかと思うと
わくわくしてきます。
氾濫する本の山の中から、縁あって出会う本たち。
ここでご紹介する本はその中の一部、ということになりますが、できるだけこのカフェに
置いておきたい!と思える本がありますように・・・と願っています。

それでは、今年もご来店お待ちしております。

旅に出たくなる地図―世界

旅に出たくなる地図―世界


IQパズル世界地図に挑戦!

IQパズル世界地図に挑戦!

  • 作者: 久伊豆好男と頭脳ゲーム研究会
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2006/11/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


IQパズル日本地図に挑戦!

IQパズル日本地図に挑戦!

  • 作者: 久伊豆好男と頭脳ゲーム研究会
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2006/08/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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今年もお世話になりました [ちょっとだけ、ひと休み]

今年もいろいろな本と出会い、皆様のコメントもいただくことができました。
それがどれだけこの心を豊かにしてくれたか知れません。

溢れるように日々出版される本の海の中で、めぐりあえた1冊をご紹介する
つたないこのブック・カフェへ訪れてくださる皆様、今年もおつきあいいただき、
本当にありがとうございました。

これからしばらく、限りなくニライカナイに近いふるさとへ戻ってきます。
どうか良いお年をお迎えください。

来年もご来店心よりお待ちしております。


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「ブレイブ・ストーリー」読書後の映画鑑賞は・・・ [ちょっとだけ、ひと休み]

最近、私事で多忙につき、皆さんのところになかなかお訪ねできないでいます。
8月中旬には・・・と思っていますが・・・。申し訳ないし、残念です。

さて、今日はもうかなり前に読んだ宮部みゆき氏の「ブレイブ・ストーリー」の映画
見てきたので、読書した者から見た映画感想を少し書いて見たいと思います。

                         ***

まず、原作「ブレイブ・ストーリー」は2003年初版で読んでいるのですが、
宮部氏の分野の一つであるゲーム性のある冒険ものとして、大変印象深く、
かなり厚めの上下巻であったにもかかわらず、寝る間も惜しんで読みきった記憶があります。

小学生の主人公が自分にはどうしようもない家庭環境の変化に抗う姿、
それをなんとかしたいと足を踏み入れた別世界=幻界での様々な出来事、
そこで出会う様々な人(とは限らないけれど)たち・・・。

主人公は、その別世界で一つの目的に向かいながらも、その別世界の中の出来事にも
深く関わっていくのですが・・・。

もうひとりの幻界での旅人、主人公と同じ小学生のミツルとの選択の違いも興味深い。
普通の世界と違い、誰も主人公を保護してはくれない。
自分で何が正しいか、どうするべきかを決めなければならない。
しかし、たくさんの仲間ができる。その仲間たちと共に「目的」のために続ける旅で
様々なことが起こるのだが・・・。

・・・と作品の話はこのあたりにしておいて。

                        ***

映画のほうは、もう一人のクールな旅人、ミツルをウェンツが声をあてると聞いて、
えええ、大丈夫なのか??と思っていたのだが、セリフが少ないこともあってか(笑)
案外大丈夫でほっとした。

正直な話をすれば、あの長い物語を2時間以内に納めるのには無理がある。
だから、これから「原作を読んでしまっても見る」方は、別物としてみたほうがいいかもしれない。
ただ、GONZOも参加していることもあり、絵は綺麗だし、3Dも本当に迫力がある。
大筋や大切な部分は変わっていないので、そういう意味で異論はない。
しかし、いかんせん、時間が足りない。
特に、幻界でのチーム「ハイランダー」としての活躍や、旅をする中での様々な出会い
出来事ははしょられている。それはやむをえないが残念だ。

宮部氏もパンフの中で、アニメ化はうれしいが、最初はTVかと思っていた、と書いていた。
TVシリーズで展開したほうが確かに詳細まで表現できるのではと私も思う。
だから、別物としてみて欲しい。

小さいお子さんなどは、飽きずに見ることができて、いいかもしれない。

さらに・・・大極宮(大沢氏、京極氏、宮部氏)もどこかで声をあてているらしいのだが、
わからなかった・・・まあ、ちょい役なんでしょうね。

次はゲドになりますが、(もう始まっているのでご覧の方もいらっしゃるかも)
時間的にゲドも別物としてみたほうがいいんでしょうね。
予告編をみただけでも、テルーのイメージがかなり違っているので
ジブリの好きな強い女系)押して知るべしです。でも、やはり見てみようと思ってます。

それでは、皆さん・・・夏に負けずに過ごしましょう。
時間ができたらおじゃましますので、たまには本店にもふらりと遊びに来てください。
冷たい飲み物とおすすめの本、気になる本をそろえてお待ちしております。

<Amazon.co.jp へのリンク>
※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。

ブレイブ・ストーリー (上)

ブレイブ・ストーリー (上)


ブレイブ・ストーリー (中)

ブレイブ・ストーリー (中)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/05/23
  • メディア: 文庫


ブレイブ・ストーリー (下)

ブレイブ・ストーリー (下)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/05/23
  • メディア: 文庫


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最近読んだ何冊かの本 [ちょっとだけ、ひと休み]

いろいろあって、結構ばたばたしておりました。
とはいいつつ、結構本だけは読んでいたりしてまして。
店のほうが手抜きで申し訳ありません。
このところで読んでいた何冊かの本についてご紹介してみます。


おとぎ話の忘れ物」 小川洋子・著 樋上公実子・絵 2006年4月 集英社

この物語は、絵に著者が短編をつける、というスタイルでつむがれている。

表紙からして赤頭巾を容易に連想させながら、よく見るとかなりグロテスクで、エロティックで、
しかし「きれい」なのだ。

他の絵もそうだ。
ストレートでかわいい少女の姿のように見えたかと思うと、次のページでは成熟した女性の
エロティックさとグロテスクさ、しかしそこになぜかクールであったり、哀しみであったりと、
複雑な気持ちがかもしだされている。

さて、物語自体はその絵をキーにしながら、「白鳥屋」というキャンディーの老舗で、
「忘れ物図書館」というところに案内されるところから始まる。
有名な老舗のキャンディー屋で、名物のキャンディーを買った「あなた」は、
その図書館がどうしてできたのか、という話からいずれその品物を包んでもらっている間に
「忘れ物図書館」でふしぎな物語を手にしながら待つようになるのである。

そうして、物語の幕は静かに開くのだ。不思議で、微妙な絵とともに。

「あなた」が手にすることになる4つの物語は、何らかの童話をキーにしたり、
そのものをさらに展開させたものになっている。

いずれも絵と同じように、微妙な思いで読み終わるに違いない。
哀しいような、いじわるなような、クールなような、そして美しいような。
哀しい終わりは涙をさそうよりも、より深い森へと誘うように思える作品と絵のコラボレーション
大人の女性に何かを語りかけているような気がするのだが。

<Amazon.co.jp へのリンク>
※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。

おとぎ話の忘れ物

おとぎ話の忘れ物



「国家の品格」 藤原正彦著 2005年11月初版 新潮新書

かなり話題になった作品である。

著者は大学の理学部教授で数学者であるが、新田次郎氏、藤原てい氏を両親に持つ。
小川洋子氏の「博士が愛した数式」で、小川氏が数学の部分について事前に話を
聞いていたのもこの藤原氏であった。

この作品はある大学の講演をもとにしておこされている文章でもあるのだが、
とにかくよく出てくる言葉は「武士道」である。
父の教え、そして新渡戸稲造の「武士道」に大変著者は影響されており、
そのことはあえて否定するまでもない。

アメリカ流の市場主義によって、「情緒と形」を忘れ、
「論理と合理」に「身を売ってしまった」日本は、「国家の品格」をなくし、
「孤高の日本」を取り戻さねばならない、と著者は述べている。

読み進めていると、やや極端かな、という気もする。
おそらく、戦前生まれの方ならもっとすんなり入っていけるだろうし、逆に若い人たちには
新鮮かもしれない。
私のように理屈で学んできた世代は最も違和感を持つのかもしれない。

確かに、出版されたタイミングでは、あまりに極端な市場の自由気ままな様子、
また、他国に振り回される政府、ということがクローズアップされており、
こうしたアンチな考え方が極端であっても皆に受け入れられたのだろう。

しかし、今おちついて読んでみるとやや「情緒的」である。
それで何がわるい、と著者に言われそうだ。
確かに、情緒は大切だ。日本人ならではの情緒は大切にしたいと思う。
しかし、それは個人の心の問題でもあるような気がするのだが。

そんな中でも、共感する部分はあった。
「最悪は『情緒力がなくて論理的な人』」
こういう付き合いきれない人はいる。周りは迷惑だが、本人は全く気がつかない。
それどころか、自分の優秀さに酔っている。
周りにいる人間の心にも配慮する「情緒」が欲しいものだ。

というわけで、読む人の年代や背景によってかなりこの本の印象は違うのではないだろうか、
というのが本音である。

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国家の品格

国家の品格

  • 作者: 藤原 正彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/11
  • メディア: 新書



「壊れかた指南」 筒井康隆著 2006年初版 文藝春秋

本当に久しぶりに筒井作品の新作を読んだ。(もしかしたら唯野教授以来かも・・・?)
30編の短編を集めた作品集なのだが、その中の10編は特にショートショートとして
区切られているが、だいたいの作品はあっさりとまとめられた超短編である。

中には、続くかとおもいきやいきなり終わって、あれっ?と思うものも。
きっと、読み始めたとき、これはいったい?と戸惑う方も多いだろう。
筒井氏の手管に慣れていればまあ、様子を見てみようかということになる。

これらの作品は2000年から2006年の初めまでいくつかの文芸誌に
掲載されているものなのだが、ある時代、ある一場面を極薄のスライスのように
切り取って見せ付けているような気もする。

つい深読みしてしまうのだが、あまり考えないでさらっと読み流していくと、
著者がいいたいことはもしかしてこういう事なんだろうか?という図が茫洋と見えてくる。
おそらく、著者は「時代」によって変化するもの、しないもの、
そしてある「時代」におかれた人々の姿をコラージュのように見せてくれているのだろう。

筒井氏のことだから、ただ遊んでいるだけのものもあるのかもしれないのだが。

いずれにしろ、読み終わった後からそのスライスがやたらと気になってしかたないのは
何故だろうか。
この余白がおそらく筒井マジックなのだ。
何しろ、「壊れかた指南」と宣言しているのだから。

<Amazon.co.jp へのリンク>
※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。

壊れかた指南

壊れかた指南

  • 作者: 筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/04/26
  • メディア: 単行本


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ブックカフェ・ニライカナイ 再開します [ちょっとだけ、ひと休み]

ニライカナイ付近より、戻ってまいりました。
こちらに戻ると花粉という大敵が待っておりました・・・。

ブックカフェお休み中も多くの皆様が当店のドアをたたいてくださったようで、
感謝の気持ちで一杯です。

きれいな空気をたくさん吸って、また新たな本をいくつか仕入れてまいりました。
皆さんにご紹介しながら、今後もリラックスしながら本を片手にお茶でも飲みながら
一息入れていただけるような店になるよう、さらに精進していきたいと思います。

また、徐々に皆様のところにも、遊びにいかせていただくことを楽しみにしております。

春で様々な環境が変わった方もいらっしゃると思いますが、どうぞ心身ともに
ご自愛ください。

今後とも、ブックカフェ・ニライカナイをどうぞよろしくお願いいたします。

                                     ニライカナイ店主


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しばらくニライカナイ付近へ行ってきます [ちょっとだけ、ひと休み]

当店にいつも訪れてくださっている皆様へ

しばらく、新しい本の入荷等のため、ニライカナイに限りなく近いところへ
出かけてまいります。
おそらく、皆様との再開は4月下旬頃になるかと思います。

より居心地の良く、更に皆様に喜んでいただけるような本をご用意して
開店したいと思います。

しばしの閉店及び皆様の元へのお訪ねをお休みさせていただくことをお許しください。
春のうららかな季節ではありますが、緊張する場面も多々ある日々、
皆様どうか心身ともにご自愛のほどを。
                                        ニライカナイ店主


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たまには映画の話を「ニライカナイからの手紙」「サウンド オブ サンダー」 [ちょっとだけ、ひと休み]

今日は、めずらしく映画の話をしてみましょう。


「ニライカナイからの手紙」 監督・脚本 熊澤尚人 出演 蒼井優 平良進 南果歩

ずいぶん前に、ノベライズされたものを立ち読みしていたが、ちゃんとDVDで見たのは
これが初めてだ。
舞台は竹富島
カメラマンの父を早くに亡くし、島を出た母と理由もわからず幼くして別れ、
少女は郵便局長をしている祖父と二人で暮らしている。

少女には、毎年誕生日に1通の手紙が届く。
東京にいる母からの手紙。
そのときの少女の年齢に合わせてかかれた短いけれど暖かい手紙。
少女はその手紙を抱いて大人になった。
20歳にはすべてのわけを話す、という母の手紙に書かれた約束を待ちながら・・・。

涙なしでは見られない。
あまり詳しくを話すとこれから見たい方には邪魔になる。

ただ、最後にすべての謎はとける。
母の愛をそこに見るはずだ。
美しい物語・・・。

ただ、一言ご注意を。もし、DVDに「おかぁからの手紙」が入っていても、
見る前に読まずに、見てから読んで欲しい。

ニライカナイからの手紙

ニライカナイからの手紙



サウンド オブ サンダー
原作 レイ・ブラッドベリ 監督 ピーター・ハイアムズ 
出演 エドワード・バーンズ、キャサリン・マコーマック

現在ロードショー中。
2055年、タイムトラベルが商業として成り立つようになった。
大金をだして、太古の恐竜のいる白亜紀にトリップするお客とそれをサポートする社員。
何ももちだしてはいけない、持ち込んではいけない、変えてはいけない、という
3原則が、あるとき破られる。

たった一つのわずかな過ちが「今」に与えた大きすぎる影響とは・・・。

特撮、CGが予算不足のためかややB級のノリであるが、そこは笑い飛ばしても良い。
原作がいいのだろうが、それを時代が近づいた今見てみることは別の意味を持つ。

私達は今、科学を甘くみていないか?人類のあり方は?環境に対する甘えはないか?
いろんなことを、強制的にではなく、自主的に考えさせる映画のように思う。

最後に変化の影響の波ごとに変わっていく様は圧巻。
しかし・・・やはり分類されるとややBに近いのだろうか?
それを承知の上で、ブラッドベリファンはぜひ見てみてほしい。


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最近&ちょっと前に読んだ本 [ちょっとだけ、ひと休み]


探偵ガリレオ」東野圭吾
2002年 文春文庫

湯川助教授と草薙刑事コンビの始めてのシリーズだ。
作品はいくつかの短編からなるが、いずれも化学・科学を用いたトリック
湯川助教授が淡々とヒントを出して解いていく。

この淡々とした感じ。
ものたりないような、その少なさが乾いていていいような。

二人は同じ大学で、かたや物理学、かたや社会学の専攻だ。
共通項はなんとバドミントン部。結構平和的なつながりである。
現実的なありがちな設定とありえないトリック。そのギャップがいいのだろうか。

印象的なトリックは池で金属のデスマスクが発見される「転写る」(うつる)。
さらに、海で火柱があがり女性が殺される「爆ぜる」(はぜる)。
いずれも、湯川のヒントで解決される。
草薙刑事、もっとがんばれ、という感じ。

湯川助教授のモデルは佐野史郎氏だという。
でも、湯川助教授のようにインスタントコーヒーで満足しないように思えるんだが。
佐野史郎は。

袋小路の男

袋小路の男


袋小路の男」 絲山秋子 講談社

大昔に図書館にリクエストしていたこの本が今日私の番になった。
前作(ニート)のこともあり、読もうかどうか悩んだが、とりあえず借りて、
図書館でそのまま読み始めた。

3編の短編から構成されている。
1編目が表題の作品、2編目は1編目がある女性から見た男性の姿なのに対し、
その男性から見たその女性のことを語っている、ようだ。
この2編は、やはりちょっとどうなのだろう、こういう人たちは最近多いのだろうか、と思いつつ、
あっという間に読んでしまった。(タイトルの作品でなんとか賞を取りましたね・・・むむ)

ただ、3編目の「アーリオ オーリオ」という作品は、面白かった。
こういう作品だけを書く人ならもっと読むのに・・・と思う。

地方公務員の男性とその姪の話である。
二人は池袋のサンシャインにあるプラネタリウムをいっしょに見て、その後、
星のことや姪の飼い始めた犬のことなどについて、文通を始める。
その姪の父であるところの主人公の男性の兄と、主人公の関係がさりげなく表現される。
その文通はとても楽しいものだったのだが・・・という話。

絲山氏の中に、どうしてこんなに異なる世界があるのか、
そしてどうしてそれらが同じ人間の中でバランスを取っているのか、大変不思議に思う。
いつか、3編目だけのような作品集または作品を書いてはくれないのだろうか?


「恋愛について、話しました。」 岡本敏子×よしもとばなな
  イーストプレス 2005初版

岡本太郎の秘書として、彼の様々な創作活動、執筆活動を共にいてサポートしてきた
岡本敏子氏と、作家でお子さんも産まれたよしもとばなな氏の対談集である。

岡本氏の既成の枠にとらわれない考え方は、恋愛だけにとどまらず、本当にのびのびと
言葉が広がっている。
たとえば、「人は、見た目がすべて」(おお、ここで既に取り上げられている!)というテーマでは、
ある政治家をさして、「顔をやめてもらいたい。政治家はやってもいいけど。」という痛快な言葉を
発している。
もともと「かっこいいとは?」ということを話しているうちにテーマが裏返った形なのだが、
要は格好いい人はそれが表に出るし、ねたみやその人の人生が見た目に出る、
という話なのである。

この対談集は主に敏子氏がしゃべり、ばなな氏は聞き手にまわっている。
ただ、敏子氏もばなな氏の作品に登場する枠にとらわれない人物たちに共感をもっていて、
それがこの対談を支えているともいえる。
おそらく、二人の表現の手法は違っても、同じようなベースがあるのだろう。

「日本は恋愛をしづらい国?」 うーん、そうなのかもしれない。
それに対してフランスやイタリアの恋愛も語られるが、決してこちらばかりを肯定している
わけではないのだが・・・。
要は、二人とも「枠」を意識しての発言なのだと思う。
日本には本当に多くの枠がある。それが昔は多くが機能してきたが、
今はそれが邪魔をしている・・・と私は彼女達の対談を読んでふと思った。

対談は2004年11月に行われているが、その編集中に岡本氏は亡くなった。
彼女は、本書の冒頭にこのことばを残している。
「賭けなきゃ。自分を投げ出さなきゃ、恋愛なんて始まらないじゃない。」

そんな恋愛、していますか?

<Amazon.co.jp へのリンク>
※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。

探偵ガリレオ

探偵ガリレオ

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2002/02
  • メディア: 文庫


恋愛について、話しました。

恋愛について、話しました。

  • 作者: 岡本 敏子, よしもと ばなな
  • 出版社/メーカー: イーストプレス
  • 発売日: 2005/09
  • メディア: 単行本


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びっくりしました・・・GBA TOP30に選んでいただきました [ちょっとだけ、ひと休み]

自分のブログを見ていたら、「nice!と思った人」のところに茶川リュウ之介とあるので
「は?」と思ってクリックしてみると・・・それはGBATOP30ブロガー賞発表のページでした。
その中に、私の名前がありました。
正直、びっくりしました。

・・・というわけでちょっとだけ、ひと休みです。ふう~・・・。

冷静になって考えると、私が小説を書きたい、と思うようになったのは・・・

とにかく小さい頃から本が好きで、いろんな本たちに楽しませてもらったり、
心から泣かされたり、あるいはこんなことがあったのかと驚かされたり、
人生の機微を教えてもらったり・・・自分では経験のできないことも教えてくれた・・・
それが本でした。

何かに躓いたとき、迷ったとき、私は無意識に本屋や図書室をさまよい、
自分の求める本を探し続けていました。そして、「それ」はいつもそこにあったのです。
本は決して答えを出してはくれませんしたが、多くのヒントを与えてくれました。

今までの人生をいろいろな意味で助けてもらってきた本というものを通じて、
自分も何かできないだろうか、という率直な気持ちがものを書くということの始まりでした。
それが、このブログをはじめたきっかけでもあります。

人生、生きていれば幾度も立ち止まり、どっちへいったらいいのかわからず
立ち尽くすこともあります。
悔しい思いや、哀しい別れを受け入れなければならないこともあります。

そんなときに、私の心を救ってくれた多くの今までの何千冊もの本たち、そして
それを身をけずって書いてきた作家の方たちに対して、感謝すると共に、ささやかなことであっても
自分がこの後生きていく人たちのうちのほんの数人にでも、何かを残すことができたなら・・・

それが、今回のGBAノベルへの挑戦のきっかけでした。

書ききったところで自分の力がまだまだ足りないことを明確に実感したのと相反して、
自分のよしとしている生き方のようなものが見えてきたことは、自分自身にとっても驚きでした。

書くことによって、苦しい思いをしながらも、かけがえの無いものを既に得ていたのです。

              ****************

このブログに掲載中、何人かの読者の方には暖かい言葉で支えていただきました。
この言葉が無ければ、最後までの道のりはさらに厳しいものとなったでしょう。
最終回を共に喜んでくださった方々、本当にありがとうございました。

さらに、表には見えなくても、この作品を読んでくださった多くの皆様、
心から感謝しています。

今後は、投票形式で受賞者が決まっていくようです。
今後の賞に関しては、他のノミネートされている方々もそれぞれ個性的な力をお持ちの
皆さんですし、そのすべてを読んで投票される時間のある方もそう多くはないと思っています。

私個人としてはノミネートされた時点で、今後も少しずつでも書き溜めていこうという
勇気が湧きましたし、これ以上の欲はない、というのが正直なところです。

ただ、もしまだ私の作品を読んだことのない方で、お時間と興味のある方がいらっしゃいましたら、
当ブログで読むよりも賞サイトの方がまとまっているため読みやすくなっています。
どうか、率直なご意見を今後のためにこちらまでコメントいただければ幸いです。

なお、このブログにサイズをあわせていたので、賞サイトではコマ切れになっているところも
あります。ウィンドウをフルサイズにしてお読みいただくと読みやすいと思います。

ノミネート一覧サイト
http://www.so-net.ne.jp/blog/gba2005/prize/index.html

最後に・・・やっぱり、本が好きでよかった!!



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最近読んだ本 [ちょっとだけ、ひと休み]

当ブックカフェに置くのはどうしようかな、と悩むところですが、
一応私の読書記録として残してみようかと思います。
ファンの方の中には憤慨する方もいるかもしれませんが、あくまで個人的感想ですので
かんべんしてくださいね。

「ニート」
絲山秋子 2005年10月初版 角川書店

5編の作品から構成されている短編集。
これは、はっきりと好みの別れるところだと思う。
さらに、5つの作品の中にも、根底は同じかも知れないけれど、表現の違いのブレが大きく、
まるで別の作家が書いているような感さえある。
いずれにしても、最後の章は食前・食後にはお読みにならないことをおすすめする。

「疾走」
重松清 2003年8月初版 角川書店

重松氏の小説を読むのは実はこれが初めてだ。
ニッポンの課長」など、レポートモノから変な入り方をしてしまった私は、この作品については
内容自体、少々暴力的なシーンが多く、あまりなじめない。

ただ、最後に誰の視点で語られていたのか、ということがわかったとき、この作家が特別な手法を
持っていることを知った。
さらに、地方での旧住民・新住民の対立、そして陰湿ないじめ、家庭が崩壊していく様の
表現はさすがだ、といわざるを得ない。

ただやはり、あまりに人間に対する信頼を端から黒く塗りつぶしていくような内容には
やり切れなかった。
しかも、人とのつながりをあれだけ求めていた少年がたどりついた最後があの様では・・・・。

私が甘いのかも知れない。もっと、社会は汚れていて、恐ろしくて、罠だらけで、すぐ人は殺されて、
すぐ殺してしまうような世の中なのかもしれない。
登場人物すべてが中途半端な存在だ。引き寄せておいて、守りたいものを守りきれない。
かえって、崖の縁に立たせようとする。
「運命」と「宿命」ということばが出てくるのだが、著者は結局他者の力、そして人の力の
限界を訴えたいのだろうか?

最後にわずかな希望が見られるのが救いではある。
しかし、聖書まで持ち出しておいて、あのような展開にしたのはなぜなのか。
作家でありながら、言葉を否定するような表現を並べたのはなぜなのか。
ものには名前があり、人と世の中を結ぶために言葉がある。
それが心と命の次に大切なことだということこそ、今、大きな声で叫ばねばならないのでは
ないのか、と。


「林の中の家」
仁木悦子 1979年 講談社文庫

一度読んだのにすっかり犯人を忘れていた。
おかげで楽しく読むことができたけれど、最後に犯人が当たったのはうろ覚えのせいなのか、
推理力のせいなのか。面白い本ではあるが、仁木氏は紹介したばかりなので。

先日「猫はしっていた」でご紹介した仁木悦子氏の兄妹コンビの推理作品第2弾だ。
こちらは、前回よりもさらに人間関係が複雑だ。それこそ関係図でも書かないとついていけない。
このへんが海外、特にイギリスミステリーに似ている、と苦笑いだ。

そういえば、先日私が自分の蔵書がみつからず、やむを得ず「猫・・・」を図書館から借りたときに、
なんと中表紙に人間関係図やらコメントやらが書いてあった。
ああいうことは特に推理小説にとっては命取りだ。
本が好きな人なら絶対やらないはずなのに、と悲しく思った。

・・・とこんなことを書いていたら、偶然実家の母から電話がかかってきた。
捨てるはずも、売るはずもない本が、どうしても見つからず、もんもんとしていた。
まだあるはずだ、と先日実家の母に捜索を頼んでおいたのだ。

実家の倉庫から仁木氏やクリスティーなどを含む文庫のダンボールが3箱出てきたという。
これで過去読んだ本のうち、厳選された作品と再会できるかと思うと、小躍りのひとつもしたくなる
というものだ。
小躍りしながらも、既に我が家に築かれている、あの本の山とどう折り合いをつけるかを
考えねばならない・・・。

<Amazon.co.jp へのリンク>
※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。

疾走 上

疾走 上


疾走 下

疾走 下

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2005/05/25
  • メディア: 文庫


林の中の家

林の中の家

  • 作者: 仁木 悦子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1978/09
  • メディア: 文庫


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