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これぞ冒険モノ「エイレーネーの瞳シンドバッド23世の冒険」小前亮 [物語や絵本の世界を楽しみたいときに]

エイレーネーの瞳.jpg

「エイレーネーの瞳 シンドバッド23世の冒険」 小前亮 理論社

理論社のYA向きシリーズの一冊である。

シンドバッドは、その弟子たちの最も優れた一人に魔人を譲ってきた、という
設定。
今回のシンドバッドは若き女性である。
そして、まだ修行中の弟子のマレクと、昔シンドバッドとともに
22世のもとで修行してきたエンヴェルの3人が、依頼された秘宝探しのために
冒険に出るのだが、それは現シンドバッドが敬愛してやまなかった
謎の多い22世も突き止めようとして道半ばに倒れた冒険だった・・・

中央アジア、イスラーム史を専攻してきた著者が、その知識を駆使して描く
新しいシンドバッド像。
なかなか魅力的である。

最初はその世界観や時代、人間関係になれず進まないような気がするのだが、
それらが一度わかってくるとどんどん面白さが加速してくる。

特に、最後に22世の死に際しての謎がわかるあたりではぐっとくるものもある。

新しいタイプのファンタジーとして、もしかしたら次作もあるのか?と
期待させる終わり方もしている。
まだまだ登場人物の成長、秘密、知りたいことはある。
続編が出れば、きっと手に取ることになるだろう。楽しみである。

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猫好きにはたまらない 「ブランケット・キャッツ」 重松清 [人生や物事について考えたいときに]

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ブランケットキャッツ」 重松清 朝日新聞社 2008年

asahi.comに2003年の半年間掲載されたものを改稿した短編集。
おそらく、猫好きにはたまらない一冊である。

2泊3日で何匹かの中から選んだ猫を借りていくことができるという設定。
いくつかのルールはあるが、借りていく理由は多様である。
猫たちはその場に居合わせて、ときに自由に、ときにふりまわされ、
ときに人間達がおどろくような結末で幕引きをする。

それぞれの短編独立しているのだが、いずれもどこかで人間関係
人間性に深く関わっている。
そして、それを浮き彫りにしているのが登場する何匹かの「ブランケット・キャット
たちだ。

その猫たちの特徴や個性を描いている部分も猫好きにはたまらない。
それを楽しみつつ読んでいると、いつのまにか実はそこにいる人間達へ
感情移入していることに気づく。

特に今の家族状況を描き出している作品が多い。
いくつかは大人だからこそわかるものもある。
いくつかは若い世代に読んで欲しい作品である。
それらが混在しているのでどんな方におすすめなのか
悩むところであるのだが、
つまるところ、猫に恨みでもないかぎり、大抵の人に
読んで良かったと思っていただけるような救いのある作品であると
いえるのでは、と感じる。


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ブランケット・キャッツ

ブランケット・キャッツ

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2008/02/07
  • メディア: 単行本



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著者の人生からにじみ出るもの「崖っぷちに立つあなたへ」落合恵子 [若い人たちへ-YAブックス]

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「崖っぷちに立つあなたへ」 落合恵子 岩波ジュニア新書 2008年

作家であり、絵本専門店「クレヨンハウス」の主宰者でもある落合氏が
第二次世界大戦末期にシングルマザーの子として生まれ、
その人生をどのように歩いてきたか、
そしてその人生から得た何かで今、「爪楊枝一本ほどのちっぽけで細い支えのようなもの」
を心苦しく生きている誰かに差し出すことができるなら、という思いで書いたのが
この一冊である。

この作品では、シングルマザーという当時ならなおさら厳しい立場にあった
落合氏の母が、全力で娘を愛した軌跡と、その母を心の支えにして
生きてきた落合氏の様子がときに淡々と、ときに感情をこめて語られている。

いわゆるハウツーものではなく、処方箋的なものでもない。
彼女の生き方から、感じたものの中から、何かを今迷う人、苦しむ人に
伝えたい、という情熱が一文字ひと文字から感じられる。

最後には、最近の相談についても触れられている。

いつの時代にも、その時代のいじめがあり、差別があり、悩みがあり、
苦しさがある。
生きていることは苦しむことなのか?と思いそうなとき、
この一冊が、この先にきっと今は想像できない喜びや体験がまっている、と
励ましてくれる。

ジュニアだけでなく、大人も自分自身、そして若いひとたちのために
読んでみてほしい一冊である。

大人には、「自分が何ができるか、どんな支えになれるか」ということを
若い世代に向けて考える機会になるのだと思う。

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崖っぷちに立つあなたへ (岩波ジュニア新書 592)

崖っぷちに立つあなたへ (岩波ジュニア新書 592)

  • 作者: 落合 恵子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2008/04
  • メディア: 新書



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テンポのよい刑事モノ 「犯人に告ぐ」 雫井脩介 [ミステリーを楽しみたいときに]

犯人に告ぐ.jpg

「犯人に告ぐ」 雫井脩介  双葉社 2004年

幼児誘拐事件の現場指揮をして、最悪の結果となってしまった過去を持つ刑事。
たたき上げから警視になった彼はそれでもとばされた田舎の所轄で検挙率を挙げていた。

そんな彼がらちのあかない連続幼児殺人事件のため、「現場」に呼び戻される。
しかし、そこには「汚れ役」として捨て駒をもとめる上層部と
個人的な利益のために一部マスコミにリークする若い課長、
そしてうさんくさい目でしか彼を見ない捜査一課の面々が待ち構えていた・・・

久々に面白くテンポのよい刑事モノを読んだという気もするが
あえて劇場型の捜査方法をとるなど、やや実感のない展開もある。

しかし、一つの大きな取り返しのつかない失敗の背負った
一人狼の刑事が、少しづつ現場の刑事や鑑識の協力を得て
最後の最後に犯人をおいつめていくところはその場に自分もいるような気もする。

何度刑事モノを読んでも思うのだが、なんと腐りきった組織だろうかと
架空の世界だとは思ってもうなってしまう。
煙のないところには火はたたない。

命や刑事としての使命を本気で守ろうとすればするほど煙たがられる世界。
それは私達の命や安全を守る組織だからこそ、本当にこんなことがあるとは
信じたくないけれど、特殊な組織だからなお、隠された暗部があるのかもしれない。

あっという間に読ませる文体と構成もなかなかのものである。


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人間の罪を見つめる 「償い」矢口敦子 [人生や物事について考えたいときに]

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「償い」 矢口敦子 幻冬舎文庫 2003年

物語の展開と設定に独特のものがある、と思った。

筆者の経歴を見ると、小学5年生で病気のため通学をやめ、
通信制で大学まで卒業、とある。
そういうところが仁木悦子とあるいは似ているかもしれない。

外に自由に出られるから、一般的なルートを来たから、
世の中のことがよくわかっているというわけではない。
仁木氏がそうであったように、かえって部屋の中で過ごす時間が多いほど
外の世界や人の心には敏感になるのではないか。

この作品を通して感じられるのは、具体的に起こる物事の展開への興味よりも
それが関係者にとってどのような心理的意義をもっていたか、ということだ。
その描写については非常に複雑な伏線を張っている。

主人公は元、将来を嘱望された大学病院医師
そして、まだ国家試験が受かったばかりの若い頃、あるちいさな命を助ける。
その命とふたたびめぐりあったとき、彼はホームレスになっていた。

事件がやや交錯したり、刑事との関係の甘さなど、ややすっきりしない点が
残るのだが、最初に書いたように、この物語はサスペンスや犯人探しよりも
人間の罪というものを見つめた作品だといえるだろう。

主人公のホームレスの罪、多くの犯罪者とその原因となった環境の罪、
そして昔主人公が助けた初めての命をもつ少年の罪。

人間、誰しもどこかに暗い気持ちを抱えながら生きている。
それはどうしようもない出来事であったり、誰かに罠にかけられたり、
「なぜ自分だけが」と思うようなことかもしれない。

法的には問題がなくとも全く罪を犯さず、
後悔のない人生を歩んできたなどといいきれる大人は
そう多くはないだろう。

それがもう取り返しのつかない命に関わるとき、
人間はどう償えばいいのか。

答えは目の前にあるような気がする。
それを実践するのが難しいだけなのだ。

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償い (幻冬舎文庫)

償い (幻冬舎文庫)




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青いフレークのような若い時 「プラネタリウム」梨屋アリエ [若い人たちへ-YAブックス]

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プラネタリウム」 梨屋アリエ 講談社 2004年

引き続き、梨屋氏の作品。

中学生が主人公の4つの短編から成る作品。
そして、そのどれもに「プラネタリウム」が登場する。
ちょっと不思議な世界なのだが、それが中学生という時代の
微妙な年齢をうまく表しているような気もする。

その世界に入っていくまで、特に最初の「あおぞらフレーク」という短編では
ここに登場する青いフレークが何を意味するのかよくわからないまま
物語が進んでいく感じだ。
やがてそれは言葉でもはっきりわかっていくのだが、もしかすると
同年代の若い人たちはすぐにピンとくるのかな、などと
想像してみたくなる。

そんな、微妙な不思議な世界である。

その不思議な部分は確かに何かを象徴しているのだが、
それにあまりとらわれずに感性で受け止めておいて、
実際に流れていく事柄に目を配ると、作者がこの年代には二層の精神構造があることを
描いているのかな?とも感じる。

妙に現実的な部分と、心の中での思いの世界。
まさに、そのはざまでうまく折り合えないことを、いくつかの「不思議」な現象で
表しているのではないか。

表紙もいかにも中学生の女子が好みそうな装丁である。
ちなみにブックデザインは藤田知子氏、挿画&イラストは牧野千穂氏である。
いまどきの若い女子には表紙やイラストが中身と同じくらいに
とてもとても重要であることをよくよくわかっての作品である。


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プラネタリウム

プラネタリウム




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何か懐かしい匂い 「夏の階段」 梨屋アリエ [若い人たちへ-YAブックス]

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「夏の階段」 梨屋アリエ ポプラ社 2008年

確かに、何故か夏の匂いがするような気がする。

5人の高校1年生の1人称の形で積み上げられていく5つの短編集だ。
この5人、県内ではそれなりに進学校の同じクラスにたまたま集まった5人で
それぞれ15年とちょっとの過去を持ち、それぞれの家庭環境と事情を抱えている。
その5人を外側からと、内側から見られるという趣向だ。

高校1年生がどんな季節だったかということは忘れてしまったような
忘れたいほど気恥ずかしいような微妙なところである。
クラブや文化祭での活動にも参加していたけれど、なんとなく斜に構えているような
微妙な時期だったと自分の過去をふと振り返ってみる。

今の高校生もそうなのかもしれない、と
この作品を読んでほっとし、共感もした。
オトナに見せたい、なりたいけれど追いつかない思い。
そのイライラと、自分と関わっている同級生や家族、知り合いとの関係。
それらのバランスが難しいのがこの時期なのかもしれない。

中学3年生から高校1年生というのは脱皮するかどうか、という
何かしかけがあるのかもしれない。
それを何事もなく気づかないで通り過ぎている場合もあるだろうし、
既にもっと前に子どもとは違う存在に
壁を乗り越え成長しているティーンもいるのだろう。
しかし多くはこの時期に、内側にも、外側にも
大きなエネルギーが向いていくように思う。

この作品はそんな時期を迎えた個性的な5人が1人称と外側からと
両方描かれる。それらをすべて読み終えたとき、一つの物語が完成し
それぞれの登場人物を理解できるという体裁になっていて面白い。

きっと読者も、この5人の中の誰かに自分の似ているところを
重ねて過去を振り返りしばし今の自分のことさえも考えるだろう。
まさにその年齢であればよりリアルにのめりこむかもしれない。

いい年の大人にはやや気恥ずかしいけれど、しばし忙しい歩みを止めて
過去から「今」を考えるいい機会になるかもしれない。

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夏の階段 (teens’ best selections 13)

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春樹氏ランについて語る「走ることについて語ることきに僕の語ること」村上春樹 [エッセイやマンガでリラックスしたいときに]

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「走ることについて 語ることきに 僕の語ること」 村上春樹
 文芸春秋 2007年

もっと早く読みたかったのだが、なかなか機会にめぐまれなかった。
いざ、読める機会がきたとたん、雑事で忙しく、また他にも読まねばならぬ
もろもろの文章があり、残念ながら猛スピードでの読了である。

しかし、本を読むこともあるいは、走ることに似ている・・・かもしれない。

そんな風に思ったのは、何度かこの本以外にも村上春樹氏のランに関する
文章を今まで読んできて、マラソンを目的に走り続けること、
そしてそれは長編の作品を書くことに(著者にとっては)似ていること、
という何度となく繰り返されるフレーズが頭に染み付いていて、
かつ、なんとなく納得がいくからなのかもしれない。

マラソンをしない私にとっては、長い文章を読むことは走ることに似ている。




今回も、ハワイで、ニューヨークで、日本で(しかも100キロだ)、
あちこちで彼は走っている。
走っているときのこと、その前のこと、走った後のこと。
出来事も頭の中のことも、映像のように繰り広げられる。

私は走らない、と書いた。
でも、この作品に書かれたメンタリティは似たものとして理解できるような気がする。
長編の物語をあるペースで読むときのように。
こうして文章を書くときのように。
日々をあるペースで暮らしているときのように。

含まれている写真の中に、ハワイで絞られていく著者の体の後姿が乗せられている。
確かに、作家・・・というより(いや、それだけでなくとあえて書くと)
ランナーの肉付きである。
それは、彼の体、という媒体を持って、彼自身の作家活動についても如実に表している
ように思えてならない。

単にちょっとうらやましかったのは、いろいろ事情はあるにしても、
ハワイに長い間暮らせることである。
しかし、それも彼が今までの人生をやりくりしてきて、走り続けた結果として
つかんだものなのだ、としみじみ思う。
そして、自分の人生をふと振り返るのだった。

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走ることについて語るときに僕の語ること

走ることについて語るときに僕の語ること




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一人の職業を持つ女性として「不器用」野田聖子 [人生や物事について考えたいときに]

不器用.jpg
「不器用」 野田聖子 朝日新聞社 2007年

言わずと知れた国会議員、野田聖子氏にインタビューしたものをまとめたものである。
『わたしは、生みたい』が2004年に出版されたときは、気になったものの、
新聞等でかなり話題になり、内容も報道されたのであえて読もうとはしなかった。

しかし、今回、タイトルの『不器用』という言葉を見て、もっと彼女の
人となりが総合的に語られるのだろうか、と読んでみることにした。

いろいろな意味で目立っていた彼女の議員生活については
ニュースで目にはしてきたものの、やはり夫婦別姓という持論、郵政民営化反対、
そして結婚した後には不妊治療にトライしている、ということが
とにかく別の女性議員とくっきりと彼女の違いを浮き立たせていた。

それが実際どのような考えのもとにあるのかは、
よくよく取材された新聞等を読まねば、
つい「若くして郵政大臣」とか、「そこまでして子供がほしいのか」
「子供がほしいのに、別姓にしてどうするのか」などと反論する向きもあったように思う。

この聞き書きをまとめた作品は、彼女が「野田」聖子になった経緯(彼女は祖父の養子)から、
学生時代、民間に就職してから県会議員、そして国会議員へ・・・と
順を追って語られていく。

郵政民営化反対の立場をとり、造反者として無所属として戦った選挙のこと、
その後の復党のことなど、政治活動についてももちろん書かれている。

しかし、その主たるところは、やはり事実婚の夫であった鶴保議員との生活、
そして不妊治療、続く失敗、流産、さらに夫との別れまで、率直に描かれている。

彼女は初めて国会議員になったときに「政治家になったからには総理大臣になりたい」
と言っていたことを今でも思い続けていると今の生活についての章でも述べている。
そんな率直さと同じように、議員同士の結婚生活と、不妊治療と、その結果を
淡々と語っているのだが、そのあまりに素直な言葉によくここまで書けるな、
と思わされる。

インタビューから構成されたことと、やはり政治家、公人として腹をくくっている
ということもあるだろう。
しかし、そもそもやはり隠し事の苦手な「不器用」な人なのかもしれない。

そして、せっかく卵子が着床したのに、ハードな仕事の予定が入っていて
家族がとめたのに出かけてしまう。
そして、それが原因かは不明だとは述べているが、結果流産してしまう。

このことをピークとして、不妊治療も、夫婦の関係も微妙にずれてくる。

この判断は、責任ある仕事をある程度の年齢まで積み上げてきた女性には
難しいところであったろう。

仕事が丁度忙しい時期で休めず、少し無理をした。
そして流産。それは自分がちょっと無理した結果ではないか?
あの時もし、仕事がいくら忙しい時期でももう少しのんびりして
仕事をスローペースにしていれば・・・?と。

性別によって、このあたりの気持ちを中心にこの本への感じ方は
かなり違うと思う。
最後に、夫であった鶴保氏が自分の立場から書いているコメントからも
そのことは伝わってくる。男性は、子供が生まれ出るまでは父性は
芽生えにくいものかもしれない。
ただ、それだけに、かえって冷静な眼でその頃の野田氏のことを
だれよりも近くで見ていた人として、正確に描写しているのは
この元夫のコメントなのかもしれない。

不妊治療の末の流産という出来事についての野田氏の気持ちは、
政治家としてというより、
一人の子供がほしい女性としての素直な気持ちが伝わってくる。
そして、夫との関係が変わっていくことも。

また、彼女が自分の「血」にこだわらず、養子制度なども視野にいれて
子供を育てたい、という気持ちがあることもこの本で初めて知った。

ワークライフバランスを考えて・・・と野田氏は二度語ってはいるが、
きっと彼女はこれからも政治家というサーキットを走り続けるのだろう。
いっそそれならば彼女の言葉どおり、
頂点にトライするところまで走りきってほしいと、
政治的な私の理念はさておき、思わせるものが読後に残った。

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不器用

不器用

  • 作者: 野田 聖子
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2007/12/07
  • メディア: 単行本



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「本」とはどんな存在?「物語が生きる力を育てる」 脇 明子 [人生や物事について考えたいときに]

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「物語が生きる力を育てる」 脇 明子著 岩波書店 2008年

子どもの本を研究しつづけている著者である。
今回は今までになくわかりやすい文体で、昔話や定番の児童文学について
その意味、意義、子どもへの影響などを語っている。

冒頭で、著者は「本が読まれること自体が大切なのではない」と語っている。
そして、なぜ子ども達に本を読んで欲しいのか、ということを考えた末の結論を
たくさんの具体的な物語を通して語りかけてくれる。

この「本」以外にもたくさんの楽しみのある時代に、
子ども達に何故「本」が、読書が、読み聞かせが必要なのか。

読み進めていくうちに、子どもにとってだけでなく、自分にとっても
「本」とはどんな存在なのかを考えさせられるようになる。

子ども達のために、そして自分たちの読書のより深い楽しみのために、
ぜひ機会があったら手にとってほしい一冊である。

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物語が生きる力を育てる

物語が生きる力を育てる

  • 作者: 脇 明子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2008/01
  • メディア: 単行本



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