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何か懐かしい匂い 「夏の階段」 梨屋アリエ [若い人たちへ-YAブックス]

夏の階段.jpg

「夏の階段」 梨屋アリエ ポプラ社 2008年

確かに、何故か夏の匂いがするような気がする。

5人の高校1年生の1人称の形で積み上げられていく5つの短編集だ。
この5人、県内ではそれなりに進学校の同じクラスにたまたま集まった5人で
それぞれ15年とちょっとの過去を持ち、それぞれの家庭環境と事情を抱えている。
その5人を外側からと、内側から見られるという趣向だ。

高校1年生がどんな季節だったかということは忘れてしまったような
忘れたいほど気恥ずかしいような微妙なところである。
クラブや文化祭での活動にも参加していたけれど、なんとなく斜に構えているような
微妙な時期だったと自分の過去をふと振り返ってみる。

今の高校生もそうなのかもしれない、と
この作品を読んでほっとし、共感もした。
オトナに見せたい、なりたいけれど追いつかない思い。
そのイライラと、自分と関わっている同級生や家族、知り合いとの関係。
それらのバランスが難しいのがこの時期なのかもしれない。

中学3年生から高校1年生というのは脱皮するかどうか、という
何かしかけがあるのかもしれない。
それを何事もなく気づかないで通り過ぎている場合もあるだろうし、
既にもっと前に子どもとは違う存在に
壁を乗り越え成長しているティーンもいるのだろう。
しかし多くはこの時期に、内側にも、外側にも
大きなエネルギーが向いていくように思う。

この作品はそんな時期を迎えた個性的な5人が1人称と外側からと
両方描かれる。それらをすべて読み終えたとき、一つの物語が完成し
それぞれの登場人物を理解できるという体裁になっていて面白い。

きっと読者も、この5人の中の誰かに自分の似ているところを
重ねて過去を振り返りしばし今の自分のことさえも考えるだろう。
まさにその年齢であればよりリアルにのめりこむかもしれない。

いい年の大人にはやや気恥ずかしいけれど、しばし忙しい歩みを止めて
過去から「今」を考えるいい機会になるかもしれない。

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※読みたいけれど図書館で借りたり本屋で探す時間の無い方はご利用ください。



夏の階段 (teens’ best selections 13)

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